京都市美術館でバルテュスの展覧会があったので行ってきました。
ピカソをもってして20世紀最後の巨匠と言わしめたほどの画家だそうです。白状しますが、私はこの人を今まで全然知りませんでした。会社の同僚が、「この人の絵良いよ。」と教えてくれたので興味を持ち、見に行ってみたというのが本当の経緯です。
展覧会の様子
まず、京都市美術館の様子です。行き慣れた人はおなじみの建物ですね。
建物にはこのように大々的に垂れ幕がかかっています。
中はもちろん撮影禁止なので、外にかかっていた展示用ポスターの写真です。これはバルテュス自身の自画像だということです。会場で展示されていますので、実際に見ることができますよ。
同じくもう一枚、会場の外の撮影コーナーにある絵です。地中海の猫という題の絵です。これも会場に展示されています。
若き日のバルテュス本人の写真です。これも撮影コーナーのところの柱に貼ってありました。どこか、フランスのサルコジ元大統領に似ているなと感じてしまいました。1908年に生まれて2001年に没した人なんですね。つい最近までご存命だったわけで、私は恥ずかしながら全然知りませんでした。会場では作家の江國香織さんがフランスかどこかの美術館で彼の絵を見て感銘を受け、実際にアトリエに訪問してバルテュスに絵を見せてもらうというビデオが放送されていました。私ももう少し早く知っていれば、リアルタイムにもっと楽しめたのになと思ってしまいました。ま、こればっかりは、年を取るにつれて関心の対象が変わってくるということで、仕方のないことのなのかもしれませんが。
で、もう一枚。これも会場前のあったポスターをアップで撮った写真です。美しい日々という題の絵です。さすがポスターに選ばれるだけあって、印象的でした。少女のまっすぐに伸びた右足に思わず視線が行き、そこから左上方に少女の体に沿って肩までを見るという目の動きを意識させられました。折れ曲がった右足と直線的な左足が形作る緊張感がたまりません。右側で赤々と燃えている暖炉からは、パチパチと火が弾ける音が聞こえてきそうです。
ほかにもたくさんの絵が展示されています。
私は宗教画がよくわからず、いつ見ても何も感想を持たないのですが、バルテュス展には宗教画はありませんでした。もしあったということだったらごめんなさい。少女の絵などが多く、純粋に見て楽しめるものが多かったです。上の美しい日々という絵のように、構図が面白いなと思えるような絵が多くて、想像力が掻き立てられました。見ていて、すぅっと絵の世界に入れるというか、世界観が楽しいなと思えるような絵が多かったです。
バルテュスは日本人の節子さんという方と結婚されていたそうです。とても日本が気に入っていたようで、日常生活では和服を着て過ごされていたそうでした。その姿が写真として展示されていました。日本画もよく見て研究されていたようで、絵にもその影響がうかがわれるようなものが何枚か展示されていました。日本画の余白をたくさんとる構図に影響を受けたような少女の絵があったのですが、うまく取り入れているなぁと感心してしまいました。説明を読まないと日本画からの影響とは私にはわからず、西洋画の1つかと思って見過ごしてしまいそうでした。それくらい上手に吸収されていました。
購入した本
特に私が気に入ったのは、バルテュスが少年時代に描いた漫画のような絵と、嵐が丘という本に描いた挿絵です。会場のショップで、これらの絵の本と小冊子が販売されていたので買ってみました。
これは、ミツというバルテュスが少年時代に描いた絵を収めた本です。全部で30枚くらいありました。
こちらは嵐が丘という本に書いた挿絵のうちの6枚が収められています。
ペン画というのは独特の味わいがあっていいですね。私は絵心がないのですが、書けるようになってみたいなと思いました。
京都市美術館までのアクセス
地下鉄京都駅から地下鉄烏丸御池駅で地下鉄東西線に乗り換え。
東山駅下車、徒歩5分。
混み具合と所要時間
私は日曜日の朝11:00から見ましたが、入口に行列はできていませんでした。中に入ると多少人はいて、次の絵を見るために人が移動するのを待たないといけませんでしたが、恐ろしく混んでいるというわけではありませんでした。良心的な混み方という感じでしょうか。これなら、平日に行けば結構快適に見ることができるのではないかと思います。
絵は全部で100枚ほど展示されています。じっくり説明を読みながら1枚1枚鑑賞して、全部見終わるのにだいたい1時間半くらいかかりました。
期間
2014年7月5日(土)~2014年9月7日(日) です。
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